補償導線について

*はじめに*

今回のテーマは「補償導線の選定について」ですが、その前にまずは『補償導線』についてご説明したいと思います。

皆さまは、当社の主力製品である『補償導線』をご存知でしょうか?「名前は聞いたことがあるけれど、詳しくはよく分からない...」そんな方に向けて、少しでもお役に立てれば幸いです。

そもそも『補償導線』という名称が少し分かりにくいですよね。「保証」ではなくて「補償」? 補償の意味を辞書で調べると「補いつぐなうこと。つぐなって埋め合わせること」あります。「導線」は電流を通すための線のこと...つまりどういう用途の電線なのか容易には想像できません。

 

一方、補償導線は英語では Thermocouple Extension Cable と表記されます。直訳すると"熱電対延長ケーブル" で、こちらは何かを延長する目的のケーブルという用途の想像が何となくできます。現代では多種多様な電線・ケーブルがあり、電力供給用・信号伝送用などさまざまな役割を担っていますが、補償導線の用途は非常に限定的です。

 

✅補償導線の役割はこれだけ!

「工業用温度センサー熱電対と温度表示器とをつなぐための専用ケーブル」

これが補償導線の唯一の役割であり、それ以外の用途には使用されません。

上で記述しましたが "熱電対延長ケーブル" を補足しますと "熱電対と同等の(熱起電力)特性を維持・延長して温度表示器までをつなぐケーブル" と言えます。このように考えると、補償導線の役割が少し分かって頂けたのではないでしょうか?

*2つのグループの補償導線*

補償導線には、英語で もう一つの表記があります。それが Thermocouple Conpensation Cable で直訳すると "熱電対補償ケーブル" です。そうですこちらが日本での名称に採用されたので熱電対用ケーブルの日本での名称は『補償導線』という難解な名称になったと推測されます。また補償導線には以下の2つのグループがあります。

Extension(延長)グループ:熱電対素線と補償導線導体の材質が一緒のグループ(なので熱起電力特性も一緒)

Conpensation(補償)グループ:熱電対素線と補償導線導体の材質は違うが、熱電対とほぼ同一の熱起電力特性を持ったグループ

2つのグループがある中で Conpensationグループの「熱電対素線と異なる材質の導体を使用し、コストダウンを図りながら熱電対同等の特性で補って温度表示までつなぐ」 という特徴の方がより特徴的と解釈されたのか、Conpensation の意味の"補償"が熱電対用ケーブルの日本の名称に採用されたと推測できます。

ちなみに補償導線のJIS規格 2012年度版(最新版)では補償導線の種類の呼称にExtensionグループの"X"、と Conpensationグループの "C" でどちらのグループか品名で識別できるようになっております。

例:K熱電対用補償導線  KX は Extensionグループ、KCA はConpensationグループ

*おわりに*

今回は補償導線の基本的な役割や用途と2つのグループ分類についてご紹介しました。わたくしの次回ブログでは補償導線導体のそれぞれの特徴をExtension(延長型)グループ、Conpensation(補償型)グループに分けてご説明を予定しております。それではまた!

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