K熱電対用補償導線がよく使用される理由とは?―その特長と選ばれる背景を解説

はじめに

温度計測や温度制御を必要とする現場で広く使用されている「熱電対」。その中でもK熱電対(クロメル・アルメル)は汎用性が高く、最も普及しているタイプの一つです。そして、このK熱電対の性能を正確に伝送するために欠かせないのが、「補償導線」です。
本記事では、なぜK熱電対用補償導線が現場で選ばれているのか、その理由を仕様や特性の面からわかりやすくご紹介します。

1. K熱電対とは?

K熱電対は、+極にクロメル、-極にアルメルを用いた熱電対で、下記のような特長があります。

  • 広い使用温度範囲(0℃〜1,000℃程度)

  • 酸化性雰囲気に優れる

  • 比較的安価で入手しやすい

  • 高い安定性

これらの理由から、K熱電対は工業炉やプラント、各種加熱装置など、さまざまな産業現場で採用されています。

2. 補償導線とは?

補償導線とは、熱電対から温度指示計や制御機器まで信号を伝送するための専用のリード線です。
通常の電線とは異なり、熱電対と似た熱起電力を持つ材料で構成されており、誤差が少ない信号伝送が可能です。

3. なぜ「K熱電対用」の補償導線がよく使われるのか?

① K熱電対の使用現場が多い=需要が多い

K熱電対は「標準型」と呼ばれるほど広く使われており、そのため対応する補償導線の需要も非常に高いです。
具体的には、電気炉、金型、食品機械、ヒーター制御など、さまざまな温度計測設備でKタイプが採用されています。

② 豊富な仕様ラインナップ

  • 被覆材(ビニル、ガラス編組、フッ素樹脂 など)

  • シールド(編組シールド、テープシールド)

  • 多芯構造(1対〜複数対)

  • 難燃・屈曲・キャプタイヤ仕様など

これにより、装置の使用条件や設置場所に応じた最適な選定が可能となり、さまざまな環境条件に対応できます。

③コストパフォーマンスの良さ

K熱電対用補償導線には、KX(熱電対と同じ材質の導体を使用)をはじめ、KCA(WX)やKCB(VX)などの異なる材質で作られた製品もあります。 
これらのKCA(WX)やKCB(VX)は、銅や鉄・ニッケル合金を使用することで、KXよりも材料コストを抑えることができ、経済的なメリットがあります。 

4. 福電のK熱電対用補償導線について

当社では、K熱電対用補償導線を豊富に在庫し、短納期でご提供しています。
また、ご要望に応じたカスタム仕様にも対応可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

K熱電対用補償導線は、その汎用性・信頼性・コストバランスの良さから、さまざまな産業分野で選ばれ続けています。
確かな性能と柔軟な対応で、お客様の温度管理を確実にサポートいたします。

 

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