熱電対の選定について
素線の「測定温度範囲」と「特徴」
・測定温度範囲
・特徴
熱電対の各構造と主な特徴(シース型・保護管型・被覆熱電対)
1.シース熱電対
熱電対素線を極細金属管(シース)に収納し、内部に高純度の無機絶縁粉末(酸化マグネシア)を充填し気密状態にし、 絶縁性と耐圧性を高めた熱電対です。
- 保護管熱電対と比べ応答速度が速い。
- 機械的強度・柔軟性に富んでいます。
- 金属シースが細い為折り曲げ可
- 一般的にK・J・Tタイプでよく使われる
- 測定温度域は-200℃~900℃位まで。
- 気密性・耐蝕性にも優れています。
- 形状の種類が多くお客様のニーズに答えやすい。
シース熱電対カタログ
2.保護管型
熱電対素線に絶縁管を取付け、金属保護管またはセラミック製 保護管の中に挿入し、端子箱を取り付けた熱電対です。
- 素線が、絶縁菅・保護管に収納されいている為に機械的強度・化学的及び物理的特性に優れています。
- 主にB・R・Kタイプと高温の温度測定に用いられる
- 溶鉱炉や大型電気炉など大型高温設備に使用される
- 長尺不可
- 測定温度域は1000℃以上
- シース熱電対に比べ、より高温・厳しい環境での測定に適している。
保護管型熱電対カタログ
3.被覆熱電対
熱電対素線に絶縁材料で被覆を施した熱電対で、一般的には被覆熱電対線と呼ばれております。
- 補償導線と外観が似ていますが、導体構成が単線になります。
- 低中温域の簡単な温度測定に利用される
- 主に簡易的な実験用、使い捨てで使用される
- 素線が安価なK・J・T・Eに適用される
- コストが安い
- 測温接点を保護するために、モールド加工したものもある。
- 測定温度域は被覆の耐熱温度まで
被覆熱電対 測温接点加工品 FEPモールド型
4.圧接式熱電対
主にガラス被覆の被覆熱電対線に保護管や取付金具などを施し、安価を目的とした汎用型熱電対です。
- シース熱電対に比べ安価になります。
- 取付・交換が容易にできる。
- 測温接点を対象物に常に密 着させるタイプで射出成型機などに多く使用される
- 素線の種類はK・Jが一般的です。
- 測温部が保護されている為、被覆熱電対に比べて外部雰囲気に強い
- 測定温度域は200℃~300℃位まで
圧接式熱電対カタログ
※以上、熱電対の説明でございました。詳しい型番などは弊社カタログをご覧ください。